君は芸術家一族の出身とのことですが、その事実が君自身の成長にどんな影響を与えたと思いますか？

そのことは、すごく大きな影響を与えたと思う。母はニットウェアのデザイナーでね、子供のころ母はどこに行くにも僕を一緒に連れて行ってくれたんだ。あれには間違いなく大きく感化されたと思う。その後、母は家族の他の人と同じように絵を描くようになった。クリエイティブな家族のなかで育ったから、いつもなんでも好きなことを試させてくれた。僕は学歴とかそういうプレッシャーが全然ない環境で育ったんだ。メインストリームから離れた人生を送ることを認めてくれる人たちだったから。だから高校も中退して、仕立て屋の修業を始めたんだ。

あなたはデンマーク出身のデザイナーですね。デンマークのデザインは、世界でもすごく高く評価されていますが、あなたの作品にはそのようなデンマーク遺産とか歴史も影響を与えていますか？

正直に言うと、当初から絶対ミニマリストにはなりたくないって思っていた。そういう意味で、美の概念に反抗したい、っていうのが僕の文化への姿勢なんだ。

あなたが今ロンドンに、セントラル・セント・マーチンズにいることが、現在のあなたの作品にどんな風に影響していると思いますか？

CSMは研究へのアプローチっていう面で僕をこれまで以上に解放してくれた。これまでに知っていた他の場所と比べて、クリエイティビティの中心地にいることってすごい開放感があるんだ。先生たちは型破りの専門家ばっかりで、不条理、趣味の悪さ、性別みたいなものをすごくはっきり理解、評価している人たちなんだ。

華やかさは、あなたの作品でどんな役割を担っていますか？

僕にとって、華やかさって挑戦だと思う。性別を超えたところで華やかになることって挑戦だよ。華やかさって、男の人だとゲイ、って判断される。でも、華やかさの概念って、誰でも、どんな身なりでも、自分のアイデンティティが何であろうと、うっとりさせる魅力を徹底的に追求したものだと思うんだよね。

仕立て屋をしてたことがあるそうですが、あなたの作品では、構造とか形状とかはどんな役割を果たしていると思いますか？そしてそれは、あなたの表面の装飾への強い関心とどんな風にバランスをとっているのでしょうか？

仕立て屋だった経験が僕の生地への愛情とかアプローチに絶対的な影響を与えてるのは確かだね。衣服に構造を付けていく作業はすごく好きなんだ。その作業に没頭できる時間って、僕にとっては瞑想してるみたいな感じ。縫物をしてる時、手縫いをしてる時って、休みなくただただ続けることができる。装飾への関心はここでも一緒。刺繍って心が落ち着く瞑想の時間みたいなものなんだ。ドレスを作るときの僕のアプローチって、仕立て屋の僕のアプローチなんだ。ドレープの要素が入っているときでもそれって構造だから。

あなたの靴のカラーは、どうやって決めましたか？

ブランクーシの作品からの色を使いたかったんだ。メタリックシルバーみたいなきりっとしたコントラストを与えてくれる色。