ラボ

シュテファン・キトラウス博士の一日は、ドイツベルンシュタット東部にあるBIRKENSTOCKの生産施設にはいり、そこにあるハイテクラボの扉の鍵を開けることから始まります。このラボは400万ユーロ以上の費用をかけ、2020年3月に完成したものです。キトラウス博士と8人のエキスパートチームが、その設計・施工段階を監督してきました。想像を絶するほどの高い品質を達成するために、BIRKENSTOCKの製造工程で使用される原材料を厳密に分析・評価できるラボを作ること、それが彼らの目標でした。

キトラウス博士のラボのおかげで、BIRKENSTOCKの製造工程で使用されるあらゆる原材料は、最高の品質基準を満たしています。またキトラウス博士は、環境問題や消費者保護などその他幅広いテーマも取り扱い、ブランドの長期的なリスクマネジメント・プログラムを監督しています。ラボチームが絶え間なく行っているテストのおかげで、BIRKENSTOCKでは厳格な基準を満たしていない素材が生産ラインに入ってしまうことはありません。

BIRKENSTOCKは、EUの厳しい法規制が施行される以前から、お客様と環境のために最高の品質基準を維持するための独自の戦略を構築し、時代をリードし続けてきました。このラボでは、素材に含有される微量の添加物、そして潜在的に有害になりえる物質を発見することができます。そのような添加物のひとつにバイオサイドがあります。バイオサイドは、革の製造工程の早い段階で、湿った、腐敗しやい皮革を保護するために使用されるものです。これらの下処理で一般的に使用される化学物質は、減成しないという問題があります。BIRKENSTOCKでは、EUの規制で定められた法定基準値よりも遥かに低い濃度のバイオサイドの含有のみを認めています。

BIRKENSTOCKに納品される最高品質のレザーは、それぞれのロットごとに定期的にテストされ、特定の要件をクリアしていることが確認されます。分析に使用される主要な技術的プロセスは常に同じものです。まず、新しく納品されたバッチからランダムにサンプルを採取します。そのサンプルを切り分け、溶剤の入ったフラスコに入れ、汚染物質を含むあらゆる物質を抽出します。個々の成分を抽出した後、「質量分析」と呼ばれるプロセスで、なめし革を構成する各要素の分子構造を分析します。この工程で、何が含有されているか、ブランドが定めた厳しいガイドラインを遵守しているかどうかを正確に判断していくことができます。

BIRKENSTOCKのラボとリスクマネジメント・プログラムは、ブランドの長期的なビジョンの中核をなすものです。これによりBIRKENSTOCKは、責任感を持った企業として、そのビジョンである「Naturgewolltes Gehen（自然な歩行）」を前進させていくことができるのです。