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「殺人みたいなシンプルな犯罪に関わっているシンプルな人たちが好き。」

マイク・ワーレン

マイク・ワーレン

BIRKENSTORY #10 マイク・ワーレン - 弁護士&博愛主義者

グレーになった髭とぼさぼさ頭にスーツ、ネクタイ、そしてBirkenstockをコーディネートして。マイク・ワーレンの奇妙なアピアランスは弁護士というよりも森の魔術師のような雰囲気。この好感を持てる弁護士を訪問し、最高裁判所での弁護でもBirkenstockを履いている理由を教えてもらいました。それから、離婚より殺人を取り扱いたい理由も...。

グレーになった髭とぼさぼさ頭にスーツ、ネクタイ、そしてBirkenstockをコーディネートして。マイク・ワーレンの奇妙なアピアランスは弁護士というよりも森の魔術師のような雰囲気。この好感を持てる弁護士を訪問し、最高裁判所での弁護でもBirkenstockを履いている理由を教えてもらいました。それから、離婚より殺人を取り扱いたい理由も...。

陪審員もただの人間

マイク・ワーレンはテネシー州のノックスビルで20年間弁護士の仕事をしてきました。彼の顧客の多くが彼のことで思い出すのはサンダル。法廷ではよく「ジーザスサンダルの弁護士さん」などと挨拶されると言います。彼の容姿に苛立ちを隠せない陪審員もいるとか。そんな時は「年寄りのヒッピー」が弁護士を務めますがいいですか、と話しかけると言います。「こう言うと雰囲気がリラックスするよ。ただ、時々判事に横目で睨まれたりするけどね」と笑います。

テネシー州のメンフィスで育ったマイクは、シンプルライフという哲学と、この地で殺害された公民権運動の指導マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、そして黒人への差別というテーマに大きく影響を受けたと言います。「黒人の人たちはいまだに最悪の職業につかされている。僕が通った高校では生徒数が250人もいる中で黒人の生徒はほんの一握りだった」と思い起こします。

マイク・ワーレンはテネシー州のノックスビルで20年間弁護士の仕事をしてきました。彼の顧客の多くが彼のことで思い出すのはサンダル。法廷ではよく「ジーザスサンダルの弁護士さん」などと挨拶されると言います。彼の容姿に苛立ちを隠せない陪審員もいるとか。そんな時は「年寄りのヒッピー」が弁護士を務めますがいいですか、と話しかけると言います。「こう言うと雰囲気がリラックスするよ。ただ、時々判事に横目で睨まれたりするけどね」と笑います。

テネシー州のメンフィスで育ったマイクは、シンプルライフという哲学と、この地で殺害された公民権運動の指導マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、そして黒人への差別というテーマに大きく影響を受けたと言います。「黒人の人たちはいまだに最悪の職業につかされている。僕が通った高校では生徒数が250人もいる中で黒人の生徒はほんの一握りだった」と思い起こします。

バーテンダーから弁護士へ

高校卒業後、バーテンダー、ラフティング選手、プロのラフティングガイド、と職業を転々とし、80年代に数年間ニカラグアに移住した経験もあるマイク。ニカラグアではスペイン語を学び、髪と髭を延ばし始めました。初めてのBirkenstockを入手したのもこの土地です。法学部に入り勉強始めたときの彼はもう34歳。彼の同級生たちは20歳前後だったと言います。「クラスの中では僕ってヒッピーのおじさんだった」とマイク。

高校卒業後、バーテンダー、ラフティング選手、プロのラフティングガイド、と職業を転々とし、80年代に数年間ニカラグアに移住した経験もあるマイク。ニカラグアではスペイン語を学び、髪と髭を延ばし始めました。初めてのBirkenstockを入手したのもこの土地です。法学部に入り勉強始めたときの彼はもう34歳。彼の同級生たちは20歳前後だったと言います。「クラスの中では僕ってヒッピーのおじさんだった」とマイク。

お金かトマト

20年ほど前、弁護士事務所を開設した当初、スペイン語を話す顧客が主だったと言います。恵まれない人々の弁護を務めていた当時から、彼の姿勢は今でも変わりません。「私のところに来るのは弁護士を雇うお金がない人たちです。話してくれるストーリー次第で弁護するかを決めます」。例えば、窃盗の容疑で逮捕された8人のトマトの収穫作業員。彼らの無実を証明することができたマイクに、弁護士料を受け取ってもらえなかった顧客は、彼の車の屋根の上にトマトを2箱置いていきました。「時々弁護士料も入ってくるし、トマトを貰えることもある。一度、支払いの代わりにって、花が植わったプランターをもらったこともあるよ。最高だった」と笑います。

20年ほど前、弁護士事務所を開設した当初、スペイン語を話す顧客が主だったと言います。恵まれない人々の弁護を務めていた当時から、彼の姿勢は今でも変わりません。「私のところに来るのは弁護士を雇うお金がない人たちです。話してくれるストーリー次第で弁護するかを決めます」。例えば、窃盗の容疑で逮捕された8人のトマトの収穫作業員。彼らの無実を証明することができたマイクに、弁護士料を受け取ってもらえなかった顧客は、彼の車の屋根の上にトマトを2箱置いていきました。「時々弁護士料も入ってくるし、トマトを貰えることもある。一度、支払いの代わりにって、花が植わったプランターをもらったこともあるよ。最高だった」と笑います。

殺人はOK、離婚はノー

マイクは「殺人みたいなシンプルな犯罪」に関わっているシンプルな人たちが好きだと言います。筋が通っているから。「誰かが誰かを殺したとか、そういうケースの方がやりやすいですね。わかり易い行動だから。離婚とかって理性が忘れられてしまうでしょ」。一度だけ友達の離婚のケースを扱ったことがあるマイク、その後両者とも彼とは口をきいてくれなくなったと言います。「まるで私が離婚の原因だったみたいにね」と可笑しそうに語ります。

マイクは「殺人みたいなシンプルな犯罪」に関わっているシンプルな人たちが好きだと言います。筋が通っているから。「誰かが誰かを殺したとか、そういうケースの方がやりやすいですね。わかり易い行動だから。離婚とかって理性が忘れられてしまうでしょ」。一度だけ友達の離婚のケースを扱ったことがあるマイク、その後両者とも彼とは口をきいてくれなくなったと言います。「まるで私が離婚の原因だったみたいにね」と可笑しそうに語ります。

ライバルからの賛辞

ノックスビルには地方メディアによく顔を出し、良いイメージをたっぷりとアピールしている弁護士がいるそうです。あるときこの弁護士がマイクに話しかけてきました。彼の変わった容姿がスマートだ、と。髭、長髪、サンダルなんかは、熟考した巧みな自己マーケティング戦略の一部なんだろう、と。マイクは「法学部に入るって決心する前からもう20年もこれ履いてるよ。俺ってスマートだから」と答えたそうです。

ノックスビルには地方メディアによく顔を出し、良いイメージをたっぷりとアピールしている弁護士がいるそうです。あるときこの弁護士がマイクに話しかけてきました。彼の変わった容姿がスマートだ、と。髭、長髪、サンダルなんかは、熟考した巧みな自己マーケティング戦略の一部なんだろう、と。マイクは「法学部に入るって決心する前からもう20年もこれ履いてるよ。俺ってスマートだから」と答えたそうです。

例外がルールを決定

冬の散歩でも、バイクでのツーリングでも、ハイキングでも、マイク・ワーレンは30年以上Birkenstock以外の靴は履いたことがないそうです。ただ一度だけ、初めての連邦裁判で弁護を始める前に、例外として「きちんとした格好で」法廷に出たいと考え、スーツ用の靴をわざわざ買いに行ったとか。

公聴はうまくスタートし、計画通りに進んでいきました。議長は愛想の悪い、とにかく厳しい連邦裁判官。そんな彼もマイクの申し立て一つ一つに頷いてくれました。勝利間違えなし、そんな気分になったマイク。ところがその裁判官が突然相手方の申し立てを受け入れるというのです。マイクは控訴院へいかなければ、と。全く理解できない、とがっかりしたマイクは、休憩時間にピカピカのスーツ用靴をロッカーにしまい、Birkenstockに履き替えたと言います。「状況を変えることができないこともあるんですが、その状況の中で自分がどれくらい快適でいられるかは自分で決められますからね」と笑います。

彼のこんな姿勢は今もそのままです。あの時以来、彼はBirkenstockを履き続けています。地方裁判所でも連邦裁判所でも控訴院でも。「靴に関して誰にも何も言われたことないですね」と満足そうに答えるマイク。

冬の散歩でも、バイクでのツーリングでも、ハイキングでも、マイク・ワーレンは30年以上Birkenstock以外の靴は履いたことがないそうです。ただ一度だけ、初めての連邦裁判で弁護を始める前に、例外として「きちんとした格好で」法廷に出たいと考え、スーツ用の靴をわざわざ買いに行ったとか。

公聴はうまくスタートし、計画通りに進んでいきました。議長は愛想の悪い、とにかく厳しい連邦裁判官。そんな彼もマイクの申し立て一つ一つに頷いてくれました。勝利間違えなし、そんな気分になったマイク。ところがその裁判官が突然相手方の申し立てを受け入れるというのです。マイクは控訴院へいかなければ、と。全く理解できない、とがっかりしたマイクは、休憩時間にピカピカのスーツ用靴をロッカーにしまい、Birkenstockに履き替えたと言います。「状況を変えることができないこともあるんですが、その状況の中で自分がどれくらい快適でいられるかは自分で決められますからね」と笑います。

彼のこんな姿勢は今もそのままです。あの時以来、彼はBirkenstockを履き続けています。地方裁判所でも連邦裁判所でも控訴院でも。「靴に関して誰にも何も言われたことないですね」と満足そうに答えるマイク。

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